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MOTEDO社のスプレー工場を訪問

---MOTEDO社のスプレー工場を訪問---
2007年4月16日 成田空港より台湾の南に位置する高雄国際空港まで一気に飛び初日は高雄市内で一泊。
翌日は高雄市の市内観光をすることも無く、朝早い電車にて工場のある台南市に直行。我ながら大変真面目。
4月なのに既に外気温は30度を超えTシャツ一枚でも汗がタラタラ。 工場には10時に到着し、さっそく工場長さんに色々と工場内を案内して頂きました。
MOTEDO社のスプレー工場を訪問
最初に見せて頂いた物は円柱形のアルミとそれを約1cmの大きさにカットされた物。
どうやらこれがプレス成型されてアルミのボトルになるとの事でした。 材料はアルミ合金@1050を使用。
ここでコストダウンを図り安いアルミ合金を使用すると圧力を注入した時にボトルの底が膨らみ真っ直ぐに立たたなくなるらしい。
一定の強度を得る為に、材料の選択は絶対に必要不可欠との事でした。 次の工程では腐食の早いアルミの内側にコーティング及び塗装を施す為に成型されたボトルは何層もの水槽を経て洗浄されます。 ここでボトルの汚れやオイル、ケミカルを全て取り除きます。
MOTEDO社のスプレー工場を訪問
内面処理を終えたボトルは外側の塗装工程へ、塗装やフィルムコーティングで美しく仕上がったボトルに一定量のオイルベースのOC溶剤が注入されます。
その後、ゲージ出力されたDupont社のR134a(HFC134a)が注入されます。最後にノズル、シール材等が一緒にカシメられ固定されて仕上がります。
随分と工程と写真を省いてしまいましたがここの工場では他社に任せているのはフィルム印刷くらいで、材料から仕上げまで全ての工程を処理していました。
催涙スプレーを造る時に一番苦労された点をお伺いすると、直ちにシール材とお応え頂きました。 加圧されたボトルが漏れる事無く何年も使用する為には丈夫で長持ちするシール材料を見つけなければならず、あらゆる材料を試してこられたそうです。 現在使用しているシール材は企業秘密との事です。
確かにTG2510/TG2508のシールは丈夫でアーマージャパングループでも過去に数万本を販売していますが、実際、アーマージャパングループでは過去に数多くのブランドのスプレーを輸入してまいりましたが、販売を中止しブランドも数多くあります。
その殆どはシール材の強度不足によるガス抜けが原因でした。 天然あるいは合成ゴムでも、劣化しないゴムはありませんが、品質よって劣化速度は大きく違ってきます。
新しいブランドを輸入する場合、シール材の劣化は年数が経過しないと分かりませんが、2-3年もすると粗悪なシール材を使用した物はクレームが続けて何件か上がってきます。
この時点で初めて認識するのですが、ここで工場を持っている会社とOEMで販売のみ行っている会社の差が出てきます。 自社工場を持っている場合は、クレーム対する処理も早いのですがOEMの場合はコストを優先する為、より良い製品作りを追求する意識が低いように思われます。
オリジナル製品を超えることはまずありません。 アーマージャパングループが輸入販売するブランドは全て自社工場を持つオリジナル製品です。 その為、ロングセラーとして定評がある商品のみを取り揃えていますので安心してご利用下さい。


TG2510/TG2508 スプレーについて
容量の多いTG2510は専用ホルスター(SHTG)とセットで台湾警察で使用されていることで有名です。
他では台湾の軍隊、刑務所、海上警察、警備会社にも数多く使用されています。日本国内では輸入元として教育委員会様や福祉委員会様等に多数納品させて頂いています。
---商品の特徴---
TG2510/TG2508にはOCガスと共にマスタード(葉カラシ)が使用されています。スプレー業界の初期の頃には多くのメーカーが威力を高める為に当然の如く使用されていたマスタード(カラシオイル)は表記上、マスタードガスと勘違いされる場合が多く現在、殆どのメーカーが使用を止めています。
今では台湾のメーカーのみが使用するマスタード入りOCガスは当然、他社メーカーより高い威力を持っています。
MOTEDO社のTG2510/TG2508は日本以外に以下の国にも輸出されています。シンガポール、インドネシア、バングラデシュ、タイ、フランス、スペイン、アンゴラ、ナイジェリア、コンゴ、レバノン、南アフリカ、ベトナム、マレーシア、イタリア

特殊警棒の生産工場を見学
昼過ぎにはスプレー工場を後にして、電車に乗って台中にある警棒の工場へと出発。
工場見学は大変興味深く時間の経過を忘れてしまいます。 見る物全てが新鮮で、工程を重ねる度に少しづつ完成品に近づく様は見ていて飽きる事がありません。今回はまず最初にメッキ工場を訪問しました。
MOTEDO社のスプレー工場を訪問

写真では見辛いのですが、奥からメッキ槽が順番に並んでいて、最初にニッケルメッキが施され、その後クロムメッキが施されます。 メッキは電気的に溶着され、それぞれのメッキ層の濃度は常に一定に保たれています。
兎に角時間も無く、早々にメッキ工場を後にして警棒のアッセンブリー工場へと向かったのは17日の夕方になってしまいました。 工場では従業員の方も終業の時間で、やはり1日に3社を回ることに無理があったかと思いつつも遅くまで色々とお話をお伺いしてきました。
警棒は上・中・下と3段のパーツから成り立っていて材料にも3種類の大きさの鋼管が用いられます。 NS/NS-Fに使用されるソリッドスチールは台湾国内で生産された鋼管を使用します。 品番は(STKM-11A)ソリッドスチールは合金では無い為、熱処理は施しません。 その為、もともとの素材の硬度がそのまま製品の硬度となります。 近いうちにNSの曲げテストを行います。
結果が分かり次第、ホームページ上にUP致します。 この工場は1975年に創業されて以降、年間の平均生産本数は20万個以上と台湾でも最大手の設備と販売量を誇ります。
主な輸出先はドイツ、アメリカ、ベトナム、中国、レバノン、イラン、特に近年は中近東からの依頼が多いようです。
商品の殆どがソリッドスチール製品だそうです。
現在、台湾では2社がNS/NS-Fのバトンを製造していて、箱も酷似していることから今後アーマージャパングループが輸入するNS/NS-Fはレーザーにてバトンの一部にロゴを入れる予定です。
2社の製品は混同し易いのですが、実際には1段目から3段目までの接続部分においてテーパーの角度を改良し、接地面積を大きく取っていることから伸ばした時に、しっかりと固定し戻りにくくなっている点が大きく違います。 今年度末までには全てのNS/NS-Fの警棒にロゴが入る予定です。
---MTD4140警棒について---
この工場では4140鋼を使用した高硬度バトンも製造しています。 4140鋼はクロームモリブデン鋼として有名でバイクのレースに詳しい方はピンとくる方も多いかと思います。
1970年後半よりフレームビルダーはクロモリを使用しフレームの強度を上げてきました。
店長も昔はハリスのマグナム2を輸入したこともあり懐かしく親近感があります。
4140鋼は台湾では精製出来ない為、アメリカのメーカーより直輸入します。型番はSCM-4140と言います。
元々は台湾の海上警察の入札でMOTEDO社が供給した事が始まりです。 当初は台湾の商社を経由して必要量を調達していたのですが、日本の商社と違ってトラブルが多く常に訴訟を抱えていた為、現在では商社を通さずに直輸入しています。
メーカーからのミニマム輸入量は10tですから相当な量になるのですが、素材への安心感は絶対です。 MOTEDO社と警棒の工場では研究を重ね、更なる硬度UPを試みています。 4140鋼管は熱処理を施す事で硬度が増し、熱処理技術の追求が硬度UPに繋がります。
6月末には曲げテストで1600kgを越す計画がありますます楽しみになってきました。 目標はASPの硬度かと思われますが、ぜひ達成してもらいたいですね。 これもまたテスト結果が出たらホームページにUP致します。

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